◆第5位 衝撃波 (ざわつき指数65)
前段・後段演習を通して、戦闘ヘリ・戦車など“火力”と言われる攻撃部隊が発するド迫力満点な“爆音”にはノッケから興奮させられっぱなし。
映画じゃないぞ。本物だぞ。
この日1日だけで3億円もの予算をかけた実弾が次々と目の前で放たれてるんだぞ。
単に音がバカデカい・・ってだけじゃないんだ。今まで経験したことのない「衝撃波(しょうげきは)」みたいなものが体の芯までズシーンと襲いかかってくる。
なんやろこれ。心拍数が上がるのがわかる。
これを味わえただけでも来た甲斐ありってなもん。
なるほど、これがあれか。「傘さしたらダメ」な理由だね。吹き飛ばされちゃうだろうね。
こんなに激しく推しているのに5位?
そうです。間違いなく最初の“ざわつき”はトップクラスだったが、人間って慣れてくるんだね。。
途中からざわつかなくなったため5位。
◆第4位 74式戦車(ざわつき指数72)
相当なミリタリーマニアが集うイベント「総火演」。それだけに素人にとってはあまり気にならない意外なものがランクイン。
74式戦車(ナナヨン式)だ。
同行したうちのカメラマンも軽いマニア。
彼いわく、74式は必ずこうやって斜面から射撃を行うんだとか。
油気圧式サスペンションとかいうものを備えてるらしく、「俺、坂道でも安定して射撃できるんだぜ!」を見せびらかしたいんだってさ。
日本って山が多いでしょ?だからこんな機械を作ったらしい。
その74式。ざわつきは意外な点でも見られた。
カメラマン達のざわつき、というか“ぼやき”である・・
「ほんまにもう、撃つタイミングが分からん・・撮りにくいんじゃ・・」と。
奇妙なことに、毎回2台が全く同じタイミングで発射する・・、それも何の合図も無く。
あの2台はどうやって撃つタイミング合わせてるんだ?(ザワザワザワ・・)
さらに同行したコタロウ記者も我々に疑問を投げかける。。
「命令は聞こえるの?」
「どうやって後ろに下がってるの?後ろ見えないし」
「あれだけ音うるさいし、衝撃もすごいのに中の兵隊さんは怪我しないの?」
まさにマシンガン口撃。早口で我々おとなをまくし立てる。兵隊さんって言わないよ・・。
うん、いい質問だ!でもコタロウ、無理だ。我々おとなにも分からないものってあるんだ。
そういうときはどうするんだっけ?
そう、調べるんだよ。おじちゃん、帰ってからちゃんと調べたよ。
・どうやらインカム(無線)で戦車の中の兵隊さん同士、合図送りあってるみたい。
・後ろに下がるときは、戦車長(リーダー)が中で指示を出しているみたい。
→潜望鏡(ペリスコープ)で戦車長が状況判断するらしいのだ。でもこれがまたほとんど見えないらしい。長年の“経験”と“勘”で判断してるんだろうね。
→最近のハイテク化が進んだ戦車だと、CITV(車長用独立熱線映像装置)とかいう装置を持ってるものが多く、それを使うことで安全にかつ今まで以上に多くの情報を得ることができるんだとか。戦車長は、それらの情報をもとに、車内無線を使って指揮している。
※ドライバーにはスピード・進路・機動を指示。砲手には攻撃目標を指示している。
◆第3位 10式戦車(ざわつき指数80)
会場が大きくざわつく・・注目度の高さが分かる。
10式の最も大きな強みは、ネットワークシステムで情報を味方同士で共有して、射撃の指揮などを瞬時に行えちゃうところ。
いかにも今風でしょ?
この戦車、下半身と上半身が全く別々に動く。下がクネクネしているのに、砲塔はバチーンと敵をロックオンした状態を保つ。
だからクネクネと後退しながらも敵をバチコーンって狙い撃ちすることができる。
まるでFUJIWARA原西の“ライライララーイ”のギャグを見ているかのような動き。ちがうか。
(※原西ギャグ大全集https://www.youtube.com/watch?v=ChYvAcrcz3I)
・・とにかくね、おじちゃん心から感動。
これだけ自由に動き回ってるし、10式にはちゃんとCITVが付いてるんでしょうな。
コタロウも会場の雰囲気を察したのか、またもやマシンガン口撃が飛んでくる。
「動きながら撃ってるのに何であんなに命中できるの?」
「ミサイルの破壊力がハンパないね。撃ったあとの山がベッコリ凹んでるもん!」
おとな「せやな・・これが日本の技術力の高さ・・やろな」、とごまかしておいた。
◆第2位 曳火射撃(TOT)
(ざわつき指数88)
TOT(Time on Target)と呼ばれる技術があるのをご存知か。ほぼ同じ地点に同時に弾着するようにタイミングを計算・調整して砲撃を行う技術なんだそうだ。
(※弾着=弾が目標地点に到着すること)
複数の装備がたとえ全く違った所にいたとしても、一点を同時に攻撃することができる技術らしい。
その中でも特にざわつきが凄かったのが「曳火射撃(えいかしゃげき)」といわれるもの。
「曳火」とは英語で言うと「エアバースト」、つまり空中で破裂するってこと。
砲弾が空中で破裂して、大量の破片が降り注ぎ、敵の頭上からダメージ!敵を一掃するというもの。
この射撃は姿勢を低くしたり溝などの穴に潜って隠れた敵にも損害を与えることができるため、大変有効な、残酷な武器なのだ。
我らが自衛隊は、この曳火射撃で空中に絵を描く・・という、とんでもないことをやっちゃうのである。
色々な地点からバラバラのタイミングで発射されたミサイルが、山の麓で「ババババっ!」と同時に破裂!
空に何かが浮かんだと思ったら、、
「富士山」!!おっしゃれ~!
ピタッと同時弾着だ。ほんでもって「富士山ナウ!」。
ほんまに凄いっす、アモーレ自衛隊!