人も車も外れてはならない道。自動運転の取材で見えてきた社会 in 大阪オートメッセ2019

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今回の取材は「大阪オートメッセ」です。オートメッセといえば、カスタムカーを一番に思い浮かべる方も多いと思いますが、正直、自分はそんなにカスタムカーには興味がないのでそこは他の記者にまかせて、自分は自動運転について取材をしました。なぜかといえば、自分が大人になった時に免許をとらなくっていいんじゃないの!?ゲームをしていても目的地にいけるんじゃないの!?っていう、軽い気持ちで興味を持ったからです。

自分が思う近い未来の車社会は、自動運転の車が主役になって、バスやタクシーは運転手がいなくても勝手に目的地まで行ってくれるし、自動運転のおかげで事故がなくなる。また、環境にやさしい電気自動車が多くなっていると思います。自分は自動運転が必要だとは思いますが、今の車よりは高い値段になるだろうし、自動運転になることによって無くなる職業もあると思います。自分が免許を取れるのは4年後ですが、その時にはどんな車社会になっているのか。そんな疑問を(株)交通タイムス社の城市さんに取材しました。

 

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氏名 城市 邦夫

昭和23年生まれ 70歳

30代後半から交通タイムス社のCARトップ編集長を長年務めた後、独立してXaCAR(ザッカ―)を創刊。さまざまな自動車系の雑誌編集を手掛け、再びCARトップ編集長に復帰し、業界最古参であり名物編集長といわれる。現在、交通タイムス社取締役編集局長として、WEBを始め多くの雑誌を統括している。

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  • 恒例の名刺交換です。やっぱり毎回のこういうのは緊張しますね。

 

自動運転の今。そして未来はどうなる!

ユータ
現在で考えられる自動運転のメリットを教えてもらえますか。

城市さん
自動運転のメリットって言われると、自動運転が進んでいくと交通事故がなくなる可能性が高いわけで、交通事故がなくて楽に移動ができる、交通手段としては最高のところ。それに向けていろんなエンジニアリング(技術的)なところと、法規、交通法や保険を含めていろんな動きがあります。自動運転の難しいところは、自動運転の車と普通の車が一緒に走っている時にどういう風に協調していくかが問題なんだけど、最終的にすべてが自動運転ができれば最高だよね。

ユータ
逆にデメリットを教えてくれますか。

城市さん
デメリットは、運転する楽しみが何もなくなる。(自動運転は)移動手段としては素晴らしいんだけども、遊びで使ったり、ドライブに使ったりとか自分の意思で動かす楽しみがなくなる。でも、そのデメリットをなくすためには、そういう遊びの車を作ればいい。昔の人は馬で移動したり荷物を運んでいた、それが列車になったり車になったりで馬の役割は終わった。じゃあ、馬を何に使っているのかといえば競馬などの遊びに使っている。車にもそういう方向があるかもしれない。普通の車は遊びの為に残す。そういう風になるかもしれない。

ユータ
完全な自動運転は必要だと思いますか。

城市さん
もちろん必要。
自動運転程完全なものを求められるものはなくて、中途半端な自動運転はだめ。何が起こるか全くわからないし、逆にこれほど危険なものはない。人が全く介入していない車。つまり自動運転車が勝手に動き出して、勝手に何かが起こった時が一番危ない。もし人間が操作していたら緊急の時にいろいろ対応できる。だから一番完璧なものが求められるのが自動運転。

ユータ
完璧な自動運転になった時でも運転免許は必要なのでしょうか。

城市さん
必要ではなくなるでしょうね。
ただ、どういう社会になっていくかによりけりで、全部自動運転になっているとは思えない。20年後でも。例えば田舎道を自分で運転したい、あるいはすべてが自動運転ではない所の場所で運転するためには交通ルールとかわかっていないと事故が起こってしまう。自動運転車と遭遇した時にどう対応するか。向こうから自動運転車が来た、その時にどう対応するか。知識なければあぶないから、手で動かす車、自分の意思で動かす車がある限りは免許が必要だと思います。ただ、本当に全部が自動運転車になった場合は必要なくなるかもしれないね。

ユータ
完全な自動運転ができたら事故や違反はなくなると思いますか。

城市さん
完全だったらなくなる。
完全ていうのはそういうもの、すべて安全で事故もない。ただ、コンピューターがバグしたとき、間違いや暴走した時、その時が一番危ない。この時に事故が起こる可能性がある。だから完璧というのはどこまでを完全というのか、コンピューターもほぼ完全なんだけど、時には間違いも起こすこともある。

ユータ
もしバグなどで事故が起きてしまった時は誰が責任をとるのでしょか。

城市さん
製造者責任にするのか、車の所有者の責任にするのか、システムを作った行政(国)の責任にするのか。非常に難しいよね。だから、それはこれから議論されるところなんです。

ユータ
現在のAIの技術はどこまで進んでいますか。

城市さん
大阪でいうと、環状線に勝手にのって勝手に走れる車は出来ている。技術としてはそこまで進んでいるけど、他の車が一緒に走っているから事故が起きた時にどうするかとか、いろんな仕組みやルールを作っていかなければならないからすぐには実用化できない。運転手がいなくてもどこにでも行けちゃう車はできている。ナビに入れるとどこにでも行ける。さっきも言ったように他の車が走っていて事故が起こったらどうするか。ルールが出来ていないから許可がおりない。

ユータ
その許可はいつごろ降りそうですか。

城市さん
今できるのは最初に高速道路。高速道路についてはそんなに先の話ではないと思う。10年以内には部分的に許可される可能性が高いと思う。一般道は非常に難しい。事故が起きたらどうするの。だれが責任を取るの。特に日本は決まりにくい部分があるので相当時間がかかるのかなって思う。

ユータ
僕自身が4年後に運転免許を取れるようになるんですけど、車社会はどれだけ進んでいると思いますか。

城市さん
4年後はそんなに変わらないね。ただ、電気自動車が増えてくるだろうね。電気自動車は操作の面ではほかの車とは変わらないので、4年ではそう大きく変わることはないと思う。今は電気自動車の種類が増えている途中です。

今後の主役は電気自動車になっていくのか!

ユータ
これからは電気自動車が主流になっていくと思いますか。

城市さん
100%に近く電気自動車に変わっていくでしょう。10年後を境に、電池の発展との関係もあるが電気自動車が主流になってく。あとは、その電気をどうやって作っていくのかが問題で、おそらく自然エネルギーと原子力の方向に行くと思う。中国なんかは、今は石炭を燃やして電気を作っている、これはなくなる。日本でも石油を燃やして電気を作っている(火力発電)、これもなくなる。水力発電、これはどうするかだけど。自然エネルギーをどうやって作るのか、ここを解決していくと、後は電池との問題。だけど、間違いなく電気自動車が主流になるね。

ユータ
電気自動車って充電に時間がかかるのですが、その課題はどうですか。

城市さん
その課題を解決できる方法はいくらかあって、まず電池の容量を増やす。5年後にはもっと進化する。一回の充電の容量が増える。しかし今の仕組だと、例えば日産のリーフだと30分ぐらいかかるんだけど、まったく空になってから充電するわけではないので、15分から20分で充電は出来る。でもそのインフラというか仕組みを変えないといけない。
携帯だと普通はコードをつなげて充電するけど、コードをつなげない、つまり無線で充電する方法がある。車も同じで、無線で充電すればいいわけでしょ。充電スペースに車を止めていると充電ができて、車が出ていく。これが今考えられている。次に時間をどれくらい早くするか。ガソリン車だと一回の給油に5分ぐらいかかるけど、それぐらいの時間で満タンにできれば問題ない。今はコードで充電しているが今後はコードレスに進んでいくだろうね。

ユータ
高速を走りながら無線で勝手に充電できるってことですか。

城市さん
将来像としてはあり得ますが、あまりにもコストがかかりすぎます。ただ、サービスエリアのどこの駐車場に止まっても勝手に充電される。こういう可能性は高い。そうなれば充電に対しての問題はなくなるでしょう。

ユータ
完全運転になっても、充電は人の手が必要になるのでしょうか。

城市さん
いや、そこは充電の仕組みの問題であって、完全な無人の車なら充電がなくなってきたら、自動で充電スペースに行って勝手に充電してまた走行する。もしそこに人がいてもサポート程度だと思う。

ユータ
ルンバみたいな感じですね。

城市さん
そうそう、わかりやすい例えだね。

自動運転であおり運転はなくなるのか!

ユータ
最近あおり運転とかがおおいじゃないですか、それをなくすにはどうしたらいいと思いますか。

城市さん
それは、小学生からの教育だね。大人がちゃんと道徳教育をしていくか。人と人がどうやって協調して生きていくかとか、人との付き合い方とか、そういうことをちゃんと学んでいくか。親の責任もあって、子供たちが人との付き合い方をどうするか。ここをちゃんと理解していって大人になればあおり運転はなくなると思う。つまりあおり運転っていうのは人との共同生活をするうえで何が大切なのかっていうのが問題だから、今はそこをちゃんと教えられてないと思うね。僕らの時代は、お父さんお爺ちゃんがすごく厳しかった。躾(しつけ)とか言われてね。顔をみたら挨拶するとかそういったところから始まっているけど、今は挨拶もできない人が多いから悲しいね。
今、このイベントに来ていてホテルに泊まっているんだけど、イベントの服を着ているから関係者だとわかるんだけど、朝、エレベーターに乗った時に「おはようございます」って挨拶するけど挨拶ができない若い人が多い。半分以上だね。こういうのがちゃんとできるようになるとあおり運転はなくなると思うよ。

ユータ
自動運転になればあおり運転もなくなりますよね。

城市さん
そうですね。
でも自動運転任せでは駄目だと思う。人との付き合い方がいろんな問題で、別の問題も起きてくるし、あおり運転をしない精神を養うことが一番大切な事じゃないかな。

将来どうなるか考えることが必要だし、その為にはみんなでそういう社会を作っていくんだから、何が正しいのか自分たちで判断していく、そういう時代が来る。だからいろんなことを勉強するべきだと思うよ。自動車世界の問題は大学の優秀な工学部の学生達は自動車の設計をあまりやりたがらない、それよりもAIやロボットをやりたい人が多い。みんながITとかそっちにいっちゃうと自動車産業自体が衰退していく。その為には面白さをいろんなものに残していかないと。

今の学生はお金が儲かる、楽に仕事ができるみたいな所に行きやすいから、はやりものに全部行っちゃう。IT系に行く人が多いんだけど、そうじゃなく人間の役に立つものは何だろうとか、最初の給料が安くても世の中に役立つものをやっていきたいとか、そういう気持ちで社会に飛び込むとか。その為には学校教育が一番大切なんだけど、親の教育も含めて。僕はそこが一番大事だと思う。あと、なんでも興味を持つことが大切。そうすればいい社会ができる。

ユータ

■取材を終えて

城市さんの話を聞いて、まだまだ課題はあるものの自動運転が進歩すればとても便利な社会になっていくことがわかりました。4年後はもっと進歩していると期待していましたが、ちょっと残念でした(笑)でも、10年、20年後にはお年寄りや、車の運転ができない人が自分で思うような所に行くことが出来るようになるだろうし、家族・友達又は一人で出かける時など使用に応じて車をチョイスするなんてことができるようになっているかもしれません。けれども便利になっていく反面、車を運転する楽しみだけでなく、無くなる職業が出てくると思います。例えば、免許が不要になったら自動車教習所がなくなると思うし、事故が無くなったら保険会社や修理工場、警察の仕事も減ると思います。バス・タクシー・配送の運転手も必要なくなるってことになるかも知れません。

また、車だけではなく、電車・船・飛行機とかも自動運転になれば、電車の運転手やパイロットといった子供の憧れの職業が無くなっていくなんてことになるかも。もしかしたら、戦車や戦闘機もボタン一つで自動で走っていき、敵を攻撃するなんて、そんな恐ろしい時代が来るかも知れません。だから「車も一つの道具であって、人がそれをどう使うか。便利なものでも使い方を間違えたら凶器にもなる。使う側の人間の問題であって機械が悪いわけじゃない。だから、使う側の心の教育を一緒にやっていかないといい社会、いい自動運転社会は訪れないだろう。」と城市さんが言うことはとても大切なことだと思います。

だから僕はもっと学校でたくさんのことをしっかりと学んで、何が良くて何が悪いのかしっかり判断できる大人になりたいです。それを大人になるまで心に刻んでおき、そして少しでも未来の車社会がより良いものになればいいなと思いました。